福岡県の沖合で、海上自衛隊の掃海艇「うくしま」が火災を起こし、1人の乗組員が不明となっています。
10日午前9時40分ごろ、宗像市の大島沖を航行していた「うくしま」から火が出ました。火災はエンジンルームから発生したとみられ、乗組員は消火活動にあたりましたが、消火できず退避しました。
乗組員の大半は救助されましたが、当直の33歳の3等海曹1人が行方不明となっています。
海上自衛隊は10日午後、乗組員の救助と消火活動のため、自衛隊機や艦艇を派遣しました。しかし、火災は強風にあおられて延焼しており、消火活動は難航しています。
海上幕僚監部は、「このまま延焼が続けば沈没する可能性がある」と発表しています。
「うくしま」は全長54メートル、基準排水量510トンの掃海艇で、下関基地隊に所属していました。
海上自衛隊の掃海艇で火災が発生するのは、近年ではこれが初めてではありません。2021年には、掃海艇「たかしま」が火災を起こし、3人の乗組員が負傷しました。
掃海艇は、機雷の除去を行う重要な役割を担っていますが、火災などの事故が発生すると、掃海作業に支障が出る可能性があります。
海上自衛隊は、火災の原因を調査するとともに、乗組員の救助と消火活動を引き続き行うとしています。