みなさん、「お中元」ってご存知ですか?「夏に贈る贈り物」というイメージはあるけれど、詳しいことはよく知らない、という方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなお中元の歴史や由来、そして贈り方のマナーについてご紹介します。
お中元の起源は、奈良時代にまで遡ります。当時、仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)というお盆の行事があり、その際に先祖供養のために亡くなった方にお供え物をしていたことが由来とされています。その後、平安時代になると、このお供え物を「中元」と呼ぶようになり、室町時代には、お盆前に親戚やお世話になった方へ贈り物がされるようになりました。
お中元の「中元」とは、「年中行事の真ん中」という意味があります。日本の1年を前・中・後の3つに分けて考えた場合、お中元は7月15日頃で、ちょうど年の真ん中にあたります。そのため、「年の真ん中にお盆を迎えるご先祖様へのお供え物」という意味が込められているのです。
お中元を贈る時期は、関西では7月15日頃、関東では8月15日頃とされています。また、贈り物の金額の目安は、相手との関係性や負担にならない程度が一般的です。一般的な相場は、3,000円~5,000円程度となっています。
贈り物の内容は、食品や飲み物、日用品など、相手の好みに合わせて選ぶのがポイントです。ただし、仏事なので、忌み言葉があるものを避けるようにしましょう。例えば、「切れ物」は「縁が切れる」を連想させ、「数珠」は「命が尽きる」を意味しますので、避けたほうが無難です。
いかがでしたでしょうか?お中元には意外と長い歴史があり、大切なご先祖様やお世話になった方へのお供え物が起源でした。また、贈り方のマナーを守ることで、相手への感謝の気持ちがより伝わるものとなります。ぜひ、お中元を贈る際は、これらのことを参考にして、素敵な贈り物を準備してみてくださいね。