「ドクターイエロー」といえば、鮮やかな黄色が印象的な新幹線を思い浮かべる人も多いでしょう。このドクターイエローが、2023年3月で引退することが発表されました。
ドクターイエローは、新幹線の線路や架線を検査する「新幹線総合検測車」です。1991年に登場した初代は、メカニカルな外観が特徴でした。現在の2代目は2005年に運行を開始、最高速度は270km/hで、量産型の新幹線よりも速く走ることができます。
ドクターイエローの主な仕事は、線路や架線の状態をリアルタイムで測定し、異常がないか検査することです。高速で走行することで、定期列車が走行していない早朝や深夜に検査を行います。走行中に収集したデータは、新幹線の安全運行に役立てられています。
では、ドクターイエローが引退する理由はなんでしょうか。その理由は、新技術の導入により、より効率的な検査方法が開発されたためです。新しい検査車は、ドクターイエローよりも小型で、従来よりも少ない台数で検査が行えます。
ドクターイエローが引退しても、黄色い新幹線は走り続けます。なぜなら、黄色は新幹線を検査する車両の専用色となっているからです。鮮やかな黄色は、新幹線の線路上で目立ちやすく、列車の運行に支障が出ないようにするためです。
引退するドクターイエローは、名古屋のリニア・鉄道館に展示される予定です。これからは博物館の中で、新幹線の安全運行を支えた歴史を垣間見ることができるでしょう。
ドクターイエロー引退のニュースは、多くの鉄道ファンにとって寂しいニュースかもしれません。しかし、ドクターイエローの任務は次の世代に引き継がれ、これからも新幹線の安全運行が守られていくことでしょう。
*ドクターイエローの引退後も、新幹線の検査車両は黄色い車体を引き継ぎます。そのため、黄色い新幹線を見かけたら、ドクターイエローではなく、検査車両であると思ってください。