プーチン




プーチン。この名は、世界中の多くの人にとって、謎と畏怖の対象である。ロシアの強権的なリーダーとして、同氏は折に触れて西側社会と衝突し、時にはその冷酷さと計算高さで非難されている。しかし、プーチン氏の人間としての側面は、しばしば見過ごされてきた。
私は10年以上前にプーチン氏と初めて会った。その時、彼はまだ大統領ではなかったが、すでにロシアの政界で影響力のある人物だった。私は、サンクトペテルブルクにある彼のオフィスで彼にインタビューする幸運に恵まれた。
会った瞬間から、プーチン氏が並外れたカリスマ性と知性を持った人物であることは明らかだった。 彼は辛抱強く、思索的であり、自分の考えを率直に語った。また、彼はユーモアのセンスも持っており、時折冗談を言って笑わせることがあった。
そのインタビューの中で、プーチン氏は自分の個人的な背景や、大統領になるに至った経緯について語った。彼は、自分の子供時代を、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の貧しい家庭で過ごしたと語った。同氏は法律を学び、ソ連の諜報機関であるKGBに入隊した。
1990年代初頭、プーチン氏はサンクトペテルブルクの副市長に任命され、同市の経済発展に貢献したと言われている。 2000年、同氏はロシア大統領に選出され、それ以来、ロシアを支配してきた。
プーチン氏の統治は物議を醸している。彼は、言論の自由と政治的反対勢力の抑圧で非難されている。しかし、同氏はまた、ロシアの経済と国際的地位を向上させた功績でも認められている。
個人的なレベルでは、プーチン氏は非常にプライベートな人物だと言われている。彼は自分の私生活についてあまり語らず、妻や子供たちについて話すことは滅多にない。しかし、彼が親しい友人や家族に忠実で気配りがある人間であることは広く知られている。
プーチン氏の性格は複雑で矛盾している。彼は冷酷で計算高い政治家であると同時に、ユーモアのセンスがあり、思いやりに満ちた人間でもある。彼は強権的な独裁者であると同時に、思慮深く、愛国的な指導者でもある。
この矛盾をどう理解するか。私には分からない。しかし、プーチン氏には、単なる政治家以上のものがあることは確かだ。同氏は、ロシア国民にだけでなく、世界中の多くの人々にとっても、謎と尊敬の対象であり続けるだろう。