ユニチカ、繊維事業から撤退へ




繊維産業をけん引してきた老舗企業ユニチカが、祖業の繊維事業から撤退することを発表しました。業績悪化が原因で、2025年8月までに事業譲渡などによる撤退を予定しています。

ユニチカは、三菱UFJ銀行をはじめとする取引銀行に約430億円の債権放棄を要請する予定です。また、社長の上埜修司氏ら経営陣は退任する方針を示しています。

ユニチカは、1918年に設立され、日本の繊維産業をけん引する大手企業でした。しかし、近年は海外からの安価な製品との競争や原材料価格の高騰により、業績が低迷していました。

繊維事業はユニチカの売上高の約4割を占めていましたが、近年は赤字が続いていました。同社は、事業の再編により、食品用包装フィルムや樹脂などの事業に経営資源を集中させる方針です。

ユニチカの繊維事業からの撤退は、日本の繊維産業にとって大きな衝撃を与えています。また、多くの従業員が職を失うことになり、地域経済への影響も懸念されています。

繊維産業は、戦後日本の経済成長を支えてきた基幹産業の一つでした。しかし、近年は海外からの競争や少子高齢化の影響により、低迷が続いています。ユニチカの撤退は、繊維産業のさらなる衰退を象徴する出来事と言えそうです。