七草がゆの恵み




毎年1月7日、人日の節句に食べられる七草がゆ。邪気を払い、1年の無病息災を祈る縁起の良い食べ物だ。

七草とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの7種類。これらを刻んでおかゆに入れる。それぞれに意味があり、セリは競争力向上、ナズナは災難除け、ゴギョウは長寿、ハコベラは子孫繁栄、ホトケノザは精霊供養、スズナは消化促進、スズシロは邪気払いといわれる。
七草がゆの起源は古く、平安時代に宮廷で食べられていたと伝えられる。

  • 平安時代、宮廷では新年の7日間を「七日御粥」とし、その最終日に七草粥を食べていた。
  • 当時は薬草として使われていた七草を粥に入れて食べていた。
  • また、7種類の草を食べることで、その草の持っている効能を得られると考えられていた。

江戸時代には庶民にも広まり、現在では初春を祝う行事として定着している。七草がゆを食べることで、1年の健康を祈るだけでなく、正月料理で疲れた胃腸を休める効果もある。
七草がゆは家庭で簡単に作れる。材料は米、水、七草のみ。米を水に浸しておき、七草は刻んでおく。鍋に米と水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして七草を加える。10~15分煮込めばできあがりだ。
七草がゆには、塩や醤油などの調味料は加えない。七草本来の香りや味わいが楽しめるのが特徴だ。お好みで、梅干しや塩昆布を添えてもおいしい。
初春の風物詩である七草がゆ。無病息災を祈って、ぜひ味わってみてほしい。