上腸間膜動脈症候群




上腸間膜動脈症候群は、上腸間膜動脈という動脈が十二指腸の第三部の後ろを通るときに、十二指腸が圧迫されて狭窄が起こる病気です。この結果、食べ物が胃から小腸に移動することが困難になり、腹部痛、吐き気、嘔吐などの症状が出ます。
上腸間膜動脈症候群は、比較的まれな病気ですが、若い女性に多く見られます。原因は不明ですが、体重減少、食事制限、激しい運動などが誘因となることがわかっています。
症状は、食事をした後に現れることが多く、腹部痛、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、体重減少などがみられます。症状は、食事の量や内容によって悪化することがあります。
診断は、病歴や身体診察をもとに行われます。確定診断には、上部消化管内視鏡検査やCT検査が必要になります。
治療は、食事療法や運動療法が中心となります。食事では、少量を何回かに分けて食べる、脂肪分や繊維分の多い食べ物を避けるなどの注意点があります。運動では、有酸素運動を中心に、腹部の筋肉を鍛えるような運動を行います。
それでも症状が改善しない場合は、外科手術が行われることがあります。手術では、上腸間膜動脈を解放して、十二指腸の圧迫を解除します。
上腸間膜動脈症候群は、早期に発見して適切な治療を受ければ、症状は改善します。しかし、放置しておくと、栄養失調や脱水などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。