函館2歳ステークス




函館2歳ステークス、それは新進気鋭の2歳馬たちが火花を散らす夏の函館競馬場の名物競走だ。
漆黒の馬体に白い流星が映える漆黒の貴公子、リアルスティールが2019年にレコード勝ちを飾ったこのレースは、その年の朝日杯フューチュリティステークスを制覇し、翌年には皐月賞制覇という偉業を達成。まさに、クラシック候補の登竜門となっている。
今年の函館2歳ステークスも粒ぞろいのメンバーが揃った。中でも注目は、母が2015年のオークス馬ミッキークイーンという良血馬、デアフルーティア。デビュー戦は2着に敗れたものの、その素質の高さは折り紙付きだ。
「父がロードカナロアですから、逃げ切りたいと思っています。とにかくゲートをうまく出て、自分のリズムで逃げられれば」と、鞍上の横山武史騎手も自信を覗かせる。
もう一頭は見逃せないのが、新馬戦を鮮やかに逃げ切ったドナウブルー。鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、函館2歳ステークスへの騎乗は今回が初となる。
「函館2歳ステークスは、とても大事なレース。ドナウブルーは初戦で能力の高さを示しましたし、今回はさらに良くなっています」と、ミルコも意気込みを見せた。
函館2歳ステークスは、新旧世代の激突でもある。昨年優勝したアフリカンゴールドは、今年から種牡馬生活に入った。その血を受け継いだアフリカンゴールド産駒のハピが、今年の函館2歳ステークスに出走する予定だ。
「父とはタイプが違うので、同じように走るとは思っていませんが、それでも、函館2歳ステークスという舞台でどれくらいやれるのか、楽しみです」と、ハピの陣営は期待を寄せる。
函館2歳ステークスは、新星誕生の瞬間を目撃できる、エキサイティングな競走だ。漆黒の貴公子に続く、新たなスターの誕生に期待したい。