溶連菌感染症とは、レンサ球菌という細菌によって引き起こされる感染症です。レンサ球菌にはいくつかの種類がありますが、中でも溶血性レンサ球菌(A群連鎖球菌、GAS)による感染症が最も重篤とされています。
溶血性レンサ球菌は、喉や皮膚の傷口などから体内に侵入します。感染すると、数日から数週間の潜伏期間を経て、さまざまな症状が現れます。
一般的な症状
重篤な合併症
溶血性レンサ球菌感染症は、まれですが、以下のような重篤な合併症を引き起こすことがあります。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(TSS)
TSSは、溶血性レンサ球菌が産生する毒素(ストレプトリジン)が全身に急速に広がるまれで重篤な疾患です。この毒素は、血圧の低下、臓器不全、ショックを引き起こします。
TSSの症状は、溶連菌感染症の一般的な症状とは異なり、非常に急速に現れます。以下の症状が突然現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
治療と予防
溶連菌感染症の治療には、抗菌薬が使用されます。TSSは非常に重篤な疾患であるため、緊急の治療が必要です。治療には、抗菌薬、輸血、人工呼吸器が必要になる場合があります。
溶連菌感染症を防ぐために、以下のような対策が有効です。
溶連菌感染症は、早期に発見して適切な治療を受ければ、ほとんどの場合治癒します。しかし、まれに重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、症状が現れた場合はすぐに医療機関を受診してください。