屋久島: 日本最後の秘境




屋久島は、鹿児島県の南約60kmに浮かぶ、九州地方最南端の島です。面積は約500平方kmで、島の約90%が原生林に覆われています。この手付かずの森はユネスコの世界遺産に登録され、日本の最後の秘境とも呼ばれています。

神々が宿る島

屋久島は古くから「屋久の島」と呼ばれていました。これは「神の宿る島」という意味で、島には数々の伝説が伝わっています。中でも有名なのは「屋久島縁起(やくしまえんぎ)」です。この説話では、屋久島は天孫降臨の際に、天照大神の孫にあたる邇邇芸命(ににぎのみこと)が最初に降り立った場所とされています。

世界遺産の原生林

屋久島の森は、縄文時代からほとんど変わっていないといわれています。霧に包まれた原生林には、屋久杉と呼ばれる巨大な杉の木がそびえ立っています。屋久杉の樹齢は1,000年を超えるものもあり、その根元は力強く大地に張り付いています。屋久島では、屋久杉の伐採は禁止されており、今後もこの森が守られていく予定です。

神秘的な白谷雲水峡

屋久島の原生林の中でも、特に人気があるのが白谷雲水峡です。白谷川沿いを歩くと、鬱蒼とした森の中を縫うように遊歩道が続きます。苔むした岩や巨木が立ち並び、まるで映画「もののけ姫」の世界に入り込んだような気分になります。

  • 縄文杉:白谷雲水峡の奥にそびえる、樹齢2,000年以上の大木。屋久島を代表するシンボルです。
  • 太鼓岩:川に突き出した巨岩。ハートの形をしていることから「ハートロック」とも呼ばれています。
  • 千尋の滝:白谷川最大の滝。岩肌を流れる水が、まるで千尋もの高さから落ちているように見えます。

屋久島は、自然と歴史が調和した、まさに日本の至宝です。ぜひ一度訪れて、その圧倒的な美しさに浸ってみてください。森の静寂の中で、自分自身と向き合い、自然の恵みに感謝するひとときを過ごすことができるでしょう。

屋久島へのアクセス

屋久島までは、鹿児島空港から飛行機で約30分、または鹿児島港から高速船で約2時間です。島内には交通機関が少ないため、レンタカーを借りるのが便利です。レンタカーなら、島の隅々まで自由に探索できます。

屋久島での宿泊

屋久島には、ホテルや旅館、民宿など、さまざまなタイプの宿泊施設があります。白谷雲水峡などの人気スポットに近い場所を選ぶと、観光に便利です。また、森の中でキャンプをすることもできます。

屋久島での食事

屋久島では、新鮮な魚介類や山菜を使った郷土料理が楽しめます。特に有名なのが「たんかん」です。たんかんは、屋久島原産の柑橘類で、果汁が豊富で甘酸っぱく、とてもおいしいです。