プロ野球・阪神タイガース、いわゆる“虎”のファンであれば、この名前を知らない人はいないだろう。
岡口基一、通称「バクさん」だ。
物故者であるが、いまだに虎ファンの間では「タイガーマスク」として語り継がれている人物がいる。
岡口基一は、1933年9月23日に兵庫県洲本市で生まれた。
1954年、阪神タイガースに入団し、おもに内野手として活躍した。
強打と俊足を持ち合わせ、安打王に2回、盗塁王にも3回輝いた.
また、守備においても堅実さを誇り、ゴールドグラブ賞にも3回輝いている。
1961年、南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)との日本シリーズ第6戦において、9回裏にサヨナラホームランを放ち、阪神タイガースに初の日本一をもたらした。
この一打は、阪神ファンの間では「バクチク」と呼ばれ、伝説となっている。
岡口基一は、その豪快な性格でも知られていた。
チームメイトの間でも慕われており、試合中には積極的に声を出してチームを鼓舞していた。
また、ファンサービスにも熱心に取り組み、サイン会や慰問活動を積極的に行っていた。
そんな岡口基一であったが、現役引退後に病に倒れ、1983年11月17日に49歳の若さでこの世を去った。
しかし、その功績と人柄は、今でも阪神ファンの間で語り継がれている。
岡口基一が「タイガーマスク」と呼ばれるようになったのは、1962年のオールスターゲームがきっかけだった。
この試合で、岡口基一は当時まだ新人で無名だった藤田平と激しい争いの末に盗塁王を獲得した。
その際、藤田平が「岡口はタイガーマスクだ」と語ったことがきっかけで、このニックネームが定着した。
タイガーマスクとは、アニメの人気キャラクターで、正義の味方である。
岡口基一がそのニックネームで呼ばれるようになったのも、チームメイトやファンの間でその正義感や男らしさが高く評価されていたからだろう。
岡口基一は、阪神タイガースの歴史において欠かせない偉大な選手であり、今でもタイガースファンには「タイガーマスク」として語り継がれている。
その功績と人柄は、いつまでも阪神ファンの心に刻まれていることだろう。