市川團蔵: 歌舞伎界の巨星が逝く




歌舞伎界に激震が走った。9代目市川團蔵が、誤嚥性肺炎による敗血症性ショックのため73歳で亡くなった。
市川團蔵は、江戸時代に活躍した初代市川團蔵から続く名門歌舞伎役者の家系に生まれた。幼いころから歌舞伎に親しみ、1969年に国立劇場『義経千本桜』の六代君で初舞台を踏んだ。以降、二代目尾上松緑のもとで研鑽を積んだ。
團蔵は、立役から女形まで幅広い役柄をこなす実力派俳優として知られていた。特に、「勧進帳」の弁慶や「助六」の助六は、彼の代表的な当たり役だった。その精緻な演技力と豊かな芸風は、多くの観客を魅了した。
團蔵の死で、歌舞伎界はかけがえのない巨星を失った。彼の残した舞台は、これからも人々の心に生き続けるだろう。