福島県いわき市の温泉リゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」の運営会社、常磐興産がアメリカの投資ファンドに買収される見通しになった。
常磐興産は、ハワイアンズや磐梯熱海温泉、ホテルジュラク東京など、レジャー施設を数多く運営する企業。特にハワイアンズは、フラガールや温泉で有名な一大リゾート地として知られ、年間約150万人が訪れる人気スポットとなっている。
買収するのは、アメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」。同社は、世界各地で不動産やインフラ事業に投資しており、日本でもホテルや物流施設などを保有している。
買収価格は1株1650円で、総額は約250億円になる見通し。常磐興産の株主は、この提案を受け入れるかどうかを検討している。
もし買収が実現すれば、ハワイアンズはアメリカの投資ファンドの傘下に入ることになる。今後もハワイアンズのブランドやコンセプトは維持される見通しだが、経営戦略や投資方針などに影響が出る可能性はある。
常磐興産は、1884年に磐城炭鉱の修理工場として設立された。その後、炭鉱閉山後に観光事業に転換し、ハワイアンズなどを運営するようになった。近年は、新型コロナウイルス感染症の影響で業績が低迷していた。
今回の買収は、常磐興産の経営再建を図る狙いがあるとみられる。フォートレス・インベストメント・グループは、豊富な資金力と経営ノウハウを生かして、ハワイアンズのさらなる発展に貢献する可能性もある。