空高く昇る満月を愛でながら、日本の伝統的なお菓子である月見団子を楽しむのは、秋ならではの風情です。丸い形をしたお団子は、満月を模したものと言われており、五穀豊穣と豊作を祈願して供えられてきました。
お団子の数は十五夜にちなんで15個が一般的ですが、地域によっては「十三夜」に合わせて13個供えることもあります。
月見団子は、蒸して搗いたもち米を丸めた素朴なお菓子です。関東地方では、白いお団子が主流ですが、関西地方では、里芋の形に模した団子にこしあんを巻き付けた「あん団子」が親しまれています。
お団子の色にはさまざまな意味が込められていると言われています。白は神聖さ、ピンクは桃の実のような春の訪れを、緑は豊かな自然を、黄色は黄金に実る稲穂を表しているそうです。
月見団子は、そのまま食べてもおいしいですが、みたらし団子のようにたれをかけていただくのもおすすめです。ほかにも、ほうじ茶や抹茶などのお茶と合わせるのも、秋の夜長にぴったりです。
年に一度の中秋の名月。この機会に、月見団子を通して日本の伝統文化を味わってみてはいかがでしょうか。