「村竹ラシッドって誰?」そうお思いの方もいらっしゃるでしょう。実は、私は一度もメディアに取り上げられたことがない、知る人ぞ知る人物なのです。しかし、そんな私にも、少しだけ人とは違った経験があります。それは、イスラム教徒の養子として育ったこと。そして、日本人の名前とイスラム教徒という「当たり前」から外れた存在として生きたこと。
幼い頃は、自分が他の子と違うことに戸惑いを覚え、自分のアイデンティティに悩み続けました。肌の色や名前、宗教などの違いが、私と他の人を隔てる壁のように感じられました。しかし、養親の深い愛情と周りの人たちの温かいサポートのおかげで、私は少しずつ自分自身を受け入れられるようになりました。
ある時、私は日本の伝統的な祭りに参加しました。浴衣を着て、お神輿を担ぎ、日本人の子供たちと一緒に歌って踊りました。その瞬間、私は「ああ、自分は日本人なんだ」と実感したのです。同時に、イスラム教徒であることも自分の大切な一部であることに気づきました。私は、二つの異なる文化を自分の中に取り込むことができました。それが、私の強みであり、誇りなのです。
思春期になり、私は自分の宗教についてもっと深く考えるようになりました。イスラム教には、平和や慈悲、正義といった素晴らしい教えがあることを知りました。私は、イスラム教徒であることを誇りに思い、その教えを自分の行動に反映させたいと思うようになりました。
大学では、国際関係を専攻しました。私は、世界中の異なる文化や宗教が調和して共存する社会を作りたいと強く願っていました。そして、そのために自分は何ができるかを考え続けました。大学卒業後、私は国際協力の分野で働き始めました。私は、紛争地域で人道的支援活動に従事し、貧困や差別と闘う人々をサポートしています。
私は、自分が世界を変えることはできないかもしれませんが、小さな変化を起こすことはできると信じています。私の経験が、一人でも多くの人々に勇気と希望を与えられたら、それ以上に嬉しいことはありません。私たちは、お互いの違いを認め合い、尊重し、共に歩み続けるべきなのです。
そして、私は、自分の名前を冠して「村竹ラシッド」基金を設立しました。この基金を通じて、私は、文化や宗教を超えて、人々がつながり、助け合う世界の実現を目指しています。