「杭瀬川」幻の地下鉄遊園地の謎に迫る




かつて、杭瀬川の下には「地下鉄遊園地」があったという噂がある。その真相を探るべく、地元の古老や関係者に話を伺った。

「本当だよ、昔はね。地下鉄の杭瀬駅の下に遊園地があったんだ」と、80代のおばあさんは目を輝かせて語ってくれた。

しかし、そうした遊園地の記録は残っておらず、地元の歴史書にも記載されていない。ある関係者は「都市伝説ですよ」と一笑に付した。

そこで私たちは、杭瀬川周辺を徹底的に調査。すると、気になる痕跡を発見したのだ。杭瀬駅の近くには、川底から突き出たコンクリートの柱が何本も立ち並んでいた。

「これは遊園地の跡かもしれない」と、私たちは期待を膨らませた。さらに、川岸には「アンダーグランド・パーク」と書かれた古い看板も見つかった。この看板は、遊園地の入口を示していたのだろうか?

謎は深まるばかり。地元の古老に再び話を聞くと、こんな話を聞かせてくれた。

「戦後すぐの頃、杭瀬川の近くには『レジャープール』という民間遊園地があったんだ。しかし、経営が悪化して閉園した。その跡地に、地下鉄遊園地が作られる予定だったんだけど、資金不足で頓挫したらしい」

つまり、杭瀬川の下に地下鉄遊園地があったという噂は、未完成の遊園地の跡地が変容したものだったのだ。夢と希望を乗せて作られかけた地下鉄遊園地。その幻に思いを馳せながら、私たちは杭瀬川を後にした。

かつて夢見た地下鉄遊園地は、今となっては杭瀬川に眠る幻の話。しかし、川底に佇むコンクリートの柱や、川岸に残る看板は、その夢の証人として静かに佇んでいる。杭瀬川には、そんなロマンに満ちた歴史が秘められていたのだ。