将棋界の頂点に立つタイトル戦「竜王戦」の第4局が、11月15日と16日の両日、大阪府茨木市の「おにクル」で行われた。挑戦者の佐々木勇気八段が藤井聡太竜王に完勝し、シリーズを2勝2敗のタイに戻した。
この対局は、序盤から佐々木八段がリードした。角換わり相腰掛け銀の出だしとなったが、佐々木八段の徹底した研究が功を奏し、藤井竜王に隙を与えなかった。
終盤、藤井竜王が反撃のチャンスをうかがったものの、佐々木八段は冷静な指し回しでそれを封じ込めた。藤井竜王は、持ち時間を1時間以上も残したまま、投了を宣言した。
藤井竜王にとって、今期竜王戦での敗戦は初めて。また、タイトル戦で2敗目を喫したのは、2020年の王将戦以来、2年ぶりとなった。
佐々木八段は、今シリーズで初めて藤井竜王に勝ち星を挙げた。藤井竜王の勢いを止めた佐々木八段の快勝に、将棋界に衝撃が走っている。
シリーズは、第5局以降に持ち越しとなった。藤井竜王がタイトル防衛を果たすのか、それとも佐々木八段が初のタイトル獲得に挑むのか。今後の展開に注目が集まる。