箱根火事旅館




箱根の温泉街を散策していると、ひときわ目を引くお宿に出会いました。その名も「火事旅館」。
「火事」と聞いて、一瞬ドキッとしてしまいましたが、近づいてみると、旅館の軒先には見事に焼け焦げた梁がそのまま飾られているのです。これは、なんと江戸時代に実際に起きてしまった火事の跡だそうです。
旅館の主人は、火事の際に命からがら逃げ出し、この梁を「教訓」として残したんだとか。それ以来、火事旅館として営業を続け、観光客に当時の火災の恐ろしさを伝えているんだそうです。
火災の跡を目の当たりにして、江戸時代の火災の激しさがリアルに伝わってきました。昔の人々がいかに火事に怯えていたか、そして防火の大切さを痛感させられました。
梁だけでなく、館内には火消道具が展示されています。江戸時代の消防士たちが使っていた巨大な水鉄砲や梯子などを見て、昔の消火活動の様子を想像すると興味深いです。
  • 手押しポンプ
  • 梯子
  • 火消し組の旗
火事旅館の歴史は、江戸時代だけでなく近代にも及びます。なんと、昭和20年の箱根大火の際にも焼け残ったんだそうです。旅館の主人はこのときも家族と協力して火災から逃れ、この宿を復興しました。
火事旅館は、単なる「火事の痕跡」ではありません。江戸時代から続く火災との戦いの記録であり、防火の大切さを訴える「生きた歴史」なのです。温泉街に立ち寄った際には、ぜひこの貴重な宿を訪れて、火事の恐ろしさと防火の大切さを改めて考えてみてください。
火事旅館は、箱根観光には欠かせないスポットだと思います。歴史的価値だけでなく、防火教育の場としても非常に意義深い場所です。ぜひ皆さんも訪れて、江戸時代の火災のリアルと防火の大切さを肌で感じてください。