2007年3月25日、能登半島を襲った地震。マグニチュード6.9、震源の深さ10kmという大規模な地震で、能登半島を中心に大きな被害をもたらしました。
僕は当時、石川県内の大学に通っていました。地震発生時は、講義を受けている最中でした。突然、教室が激しく揺れ始め、机や椅子が倒れ、天井からシーリングファンが落ちてきました。生徒たちはパニックに陥り、叫び声や泣き声が響き渡りました。
地震がおさまった後、僕は外に飛び出しました。目の前には、倒壊した家や炎上する建物が広がっていました。道路は亀裂だらけで、ライフラインも寸断されていました。人々は路上で泣き崩れ、助けを求める声が至る所から聞こえてきました。
僕はすぐに地元のボランティア団体に参加し、被害者の支援活動にあたりました。瓦礫の撤去や炊き出しの手伝い、被災者の安否確認など、できる限りのことをしました。被災者のつらい表情や、失われた命を目の当たりにして、胸が張り裂けそうになりました。
震災から数か月後、僕は被災した集落を訪れました。瓦礫は撤去され、仮設住宅が建ち並んでいましたが、まだ傷跡は残っていました。そこで出会ったお年寄りの女性が、僕にこう言いました。
「この地震で家は失いましたが、大切なものは失いませんでした。家族も無事ですし、こうして生きていることに感謝しています。また、皆さんのようなボランティアの方々に助けられて、本当に心強いです。」
彼女の言葉に、僕は勇気をもらいました。どんなに大変な状況でも、希望を失わずに前を向くことの大切さを実感しました。能登半島地震は、僕にとって忘れられない出来事であり、被災者の方々の強さと resilience を学びました。