花菖蒲の季節がやってきましたね。雨に濡れた花びらが生き生きと輝く姿は、梅雨の憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれます。
私の実家は菖蒲の名所で知られています。毎年5月下旬から6月上旬にかけて、色とりどりの花菖蒲が一面に咲き誇り、多くの人が訪れます。
私は子供の頃から花菖蒲に囲まれて育ちました。毎朝、家を出ると、色とりどりの花びらが朝日に映えて輝いていました。その美しさに心奪われ、幼い頃から花菖蒲が好きになりました。
よく「菖蒲」と「燕子花」の違いは何かと聞かれますが、実はどちらも同じものです。しかし、古くから「菖蒲」は葉が剣のように細長い種類を、「燕子花」は葉が丸みを帯びている種類を指すようになってきました。
菖蒲の花菖蒲には、1000種類以上もあるそうです。淡い紫や青、鮮やかなピンクや黄色、花弁に絞りや斑が入ったものなど、そのバリエーションは無限大です。
私は特に、淡い青紫の花びらに白い絞りが入った種類が大好きです。その清楚で可憐な姿は、見る人の心を和ませます。また、花弁の縁が波打つような「八重咲き」の種類も、豪華絢爛で目を奪われます。
花菖蒲は、日本人の心に深く根ざした花です。古くから多くの歌や俳句に詠まれ、愛されてきました。また、端午の節句には菖蒲湯に入る習慣があります。菖蒲の爽やかな香りが邪気を祓い、厄除けになると信じられてきたからです。
花菖蒲は、日本の自然が生み出した美しい芸術品です。雨に濡れて輝くその姿に、毎年心を奪われます。ぜひ、菖蒲の名所を訪れて、花菖蒲の優雅な美しさを堪能してみてください。