表皮水疱症──忘れられない日々




この世に生まれてきた赤ん坊は、柔らかな肌に包まれています。しかし、中には肌が異常に脆く、水疱ができやすいという、表皮水疱症という病気を持つ子どももいます。
私の大切な友人である美紀さんは、この病気と闘いながら、懸命に生きてきました。彼女の肌は、蝶の羽のように薄く、ちょっとした刺激でも水疱ができてしまいました。
初めて美紀さんに会った時、私は彼女の姿に驚きました。全身に無数の水疱ができており、歩くこともままならない様子でした。でも、彼女の目は輝いていて、屈託のない笑顔を浮かべていました。
美紀さんは、この病気と向き合うために、数え切れないほどの手術を受けました。治療は過酷で、痛みを伴うこともありました。しかし、彼女は決して弱音を吐きませんでした。
そんな美紀さんに私はいつも励まされていました。どんなに辛いことがあっても、彼女は決して諦めずに、前を向いて歩み続けていました。彼女の姿を見て、私もどんな困難も乗り越えられるような気がしました。
ある日、美紀さんから「海に行きたい」と言われました。彼女の足には水疱ができているため、歩くことも大変でした。それでも、彼女は海が見たいと願っていました。
私たちは一緒に海に行きました。美紀さんは車椅子に座って、砂浜を眺めながら、嬉しそうに笑っていました。私はその瞬間、彼女の幸せを心から感じました。
美紀さんは、20歳の若さでこの世を去りました。短い人生でしたが、彼女は多くのことを教えてくれました。生きる強さ、諦めない心、そして愛の大切さ。
美紀さんはもういませんが、彼女のことは決して忘れません。彼女が残してくれた勇気は、これからも私を支え続けてくれることでしょう。
美紀さん、ありがとう。あなたと出会えて、本当に幸せでした。