錦織圭 ウィンブルドン




ウィンブルドンと言えば、緑に覆われたコートと白のユニフォームが印象的な、テニスの祭典です。私も小さい頃から毎年テレビで見ており、いつかこの舞台に立ちたいと夢見ていました。
そんな夢が叶ったのは、2013年のことでした。初めてウィンブルドンに出場し、1回戦で世界1位のノバク・ジョコビッチと対戦したのです。結果はストレート負けでしたが、あの聖地で世界最高の選手とプレーできたことは、私にとって一生の宝物です。
あの試合から9年が経ちましたが、今でもあのときの緊張感と興奮を鮮明に覚えています。コートに入った瞬間、観客の熱気が肌に伝わり、自分の心臓がバクバクと音を立てているのが聞こえました。ジョコビッチはやはり強くて、圧倒的な力と技術で私を何度も追い詰めました。
でも、私も必死に食らいついていきました。自分のベストを尽くし、会場を盛り上げようとプレーしました。結果は負けましたが、観客から温かい拍手をいただき、この舞台で戦えたことを心から誇りに思いました。
ウィンブルドンは、私がテニス選手として大きく成長させてくれた大会です。あの舞台で世界最高峰の選手と対戦した経験は、私をさらに強く、自信のある選手にしてくれました。今でもあの聖地でプレーできたことは、私にとって最高の思い出です。
また、ウィンブルドンには特別な思い出があります。それは、2016年の大会のことです。当時、私は世界ランキング5位で、初のグランドスラム優勝を目指して臨みました。大会は順調に勝ち進み、準決勝でジョコビッチと再戦しました。
このときは、前回の対戦とは全く違う展開になりました。私はジョコビッチの強さに対抗し、粘り強く戦い続けました。第5セットまでもつれ込み、最後の最後まで諦めずに戦いました。結果は惜しくも負けましたが、私自身、この試合では自分の全てを出し切れたと思っています。
あの試合の後、ジョコビッチが私のもとに来て、「素晴らしい試合だった」と言ってくれました。世界最高の選手からそんな言葉をいただけて、とても嬉しかったです。あの試合は、私にとって自信になっただけでなく、さらに上を目指そうという気持ちにさせてくれました。
ウィンブルドンは、夢と希望が詰まった大会です。私はこの大会で多くのことを学び、成長してきました。これからもウィンブルドンに何度も出場し、いつか優勝したいという夢を持ち続けています。そして、世界中の人々に感動を与えるようなプレーをしていきたいと思っています。