黒岩メダカに私の可愛いが通じない

それは、私が高校生活に突入してまもなくの頃だった。
入学式の少し前に、１年生のクラス替えのリストが張り出された。私は友達とワイワイ言いながら、自分の名前を探し始めた。すると、そこには意外な名前が記されていた。
「黒岩メダカ」
この名前は、入学式で聞いたことがあった。学校の放送で、生徒会長の任命とともに名前が読み上げられていたのだ。私はこの黒岩メダカなる人物に、興味津々だった。
初登校当日、私は期待に胸を膨らませて教室へと向かった。そして、一目黒岩メダカを見かけた瞬間、衝撃を受けた。彼女は噂どおり、驚くほど美少女だった。スラリと伸びた長い髪、大きな瞳、整った顔立ち…まるで、絵に描いたような美しさだった。
私は、思わず見とれてしまった。すると、彼女は私に気づき、微笑みながら話しかけてきた。
「初めまして。黒岩メダカです。よろしくね」
その柔らかな声と、優しい眼差しに、私はすっかり魅了されてしまった。
それからというものの、私はメダカに夢中になった。授業中も、廊下ですれ違う時も、私はいつもメダカのことを考えていた。そして、勇気を出して告白することにした。
「メダカさん、好きです。付き合ってください」
私は、緊張しながら言った。すると、メダカは少し驚いたような表情をし、
「ごめんなさい。私にはお寺で修行中の彼氏がいるんです」
と、淡々と答えた。
私は、ショックを受けた。メダカには彼氏がいたのだ。しかも、お寺で修行中の彼氏なんて、一体どういうことだろう？
それでも、私はめげなかった。メダカの彼氏に勝つために、私はあらゆる手段を尽くした。髪型を変えたり、お洒落に気を使ったり、勉強を頑張ったり…しかし、メダカの心は一向に動かなかった。
ある日、私はメダカに言われた。
「あなたの気持ちは嬉しいけど、私はお寺で修行中の彼氏と結婚するんです。だから、諦めてください」
メダカの言葉に、私は傷ついた。でも、私はメダカの幸せを願わずにはいられなかった。
それからというもの、私はメダカと距離を置くことにした。そして、時が経つにつれて、メダカへの想いは薄れていった。
今では、メダカは私の大切な友達の1人だ。私は、メダカの彼氏がどんな人なのか知らないけれど、メダカを幸せにしてくれる人であることを願っている。
そして、私はメダカに言われた言葉を胸に、自分の幸せを自分で見つけることにした。