첫눈




今年の最初の雪が降った、と聞いて降雪の中を散歩することに決めました。気温は氷点下5度ほどですが、湿度がないため、寒く感じません。むしろ、空気がパリッとしていて、すがすがしい気持ちになります。

街路樹の葉がすっかり落ち、枝だけが空に向かって伸びています。その枝に雪が積もって、まるで白い花が咲いたように見えます。雪が積もった歩道には、まだ誰も歩いていないので、自分の足跡がくっきりと残ります。まるで、自分の足跡だけがこの雪原に刻まれているような、不思議な感覚です。

雪が降っている中を歩いていると、とても静かです。車の音も人の声もほとんど聞こえません。聞こえてくるのは、自分の足音が雪を踏みしめる音だけです。この静けさが、とても心地よく感じられます。まるで、世界が自分のために用意された空間になったような錯覚に陥ります。

雪が降りしきる中、私はひたすら歩き続けました。気がつけば、いつの間にか見知らぬ場所に来ていました。あたりには、見渡す限り真っ白な雪景色が広がっています。まるで、自分が真っ白なキャンバスの中に立っているような、そんな気分になります。

私は、この真っ白な雪景色を前に、ただ立ち尽くしていました。すると、ふいに心が満たされていくのを感じました。この世の中には、まだこんなに美しいものがあったのか、と心の中でつぶやきました。

私は、この雪景色を自分の心に刻みつけようと思いました。この真っ白な世界が、私の心の支えになるような気がしたからです。そして、私はこの雪景色を胸に、また歩き始めました。雪が降る中を、私は自分の足跡をたどりながら、家路につきました。